現代経営の祖、ピーター・ドラッカーに依ると、現代は産業革命以来200年に一度の大変革期にある、と言う。すなわち、「資本主義社会」から「知識社会」への移行である。資本主義社会においては、資本や生産手段を持ち、大量生産するものが強かった。
しかし、「知識社会」においては、知識を所有し、それを、組織の中で、うまく適用していくものが強い。組織とは、必ずしも、企業を指さず、もっとゆるやかな人的ネットワークも包含する。
いきなり、「知識」と言われても、と困惑する向きもあろう。しかし、変化の激しいこの社会では、常に新しい知識を習得したり、利用したり、の技量が問われる。企業においては、経営に近い層ほど、それが求められる。役員になったから、それで良し、という経営陣が多い企業は、足元をすくわれる。しかし、不安には及ばない。現時点で、活用できる知識やツール類を活用していけば、100点の経営といかずとも、70点くらいの経営は可能と考える。残りの30点は、自ら知識や価値を創造することで、得られるものであろう。
以下は、70点を取るための、基本的な知識・ツールである。
経営を考える場合、まず、必要なのは、ビジョン・事業ドメインの確立である。経営者の価値観と特技、先見性などをもとにどんな企業にしていくのか、の自らのアイデンティティを定義しておく必要がある。
次に、経営環境分析をする。自分が定義した事業ドメインを取り巻く、外部環境(市場動向・競合動向など)と内部環境(自ら所有する経営資源、業績推移、事業ポートフォーリオ等)を「客観的に」分析し、自らの強み・弱み、市場の機会・脅威を明らかにする。中小企業の場合は、強みと機会を組み合わせ、基本的な方向性・戦略を立案する。誰に、何を、どのように提供するのか。それを具体的な個別戦略に落とし込み、営業・生産・財務・情報等の各アクションプランを作成する。後は、実行と、定期的なチェックと軌道修正を繰り返す。まとめれば、以下のようである。
(1)ビジョン・事業ドメインの明確化
(2)経営環境分析(外部環境・内部環境)
(3)基本戦略の立案(強み×機会)。ターゲット顧客、提供するサービス、サービスプロセスの明確化。
(4)個別戦略への落とし込み(営業・生産・財務・情報等)とアクションプラン作成
(5)実行と、定期的なチェック、軌道修正。
企業活動においては、利害関係が輻輳し、なかなか、一つの方向を共有しにくくなっている。ステークホルダそれぞれで、求めるものが異なる。また、社内でも、いろんな部門のいろんな意見が対立して、まとめるのに一苦労、と言った例も多いだろう。
そのような状態を、うまくまとめていくためのツールがファシリテーションである。日本語にすれば、「合意促進」とでも言うのだろうか。利害関係から離れたファシリテーター(合意促進者)が、利害関係者が集まった会議の進行を行い、うまく、合意促進に導いていく。
ファシリテータは、ホワイトボードを使いながら、会議で決めるべきゴールを参加者に共有させ、意見交換をさせる。
参加者は、ゴールを共有することで一体感を感じる(チームビルディング)。意見はいろいろ出てくるが、それをホワイトボードに書き、分類したり、まとめたりして、収束に向かわせる。発言の少ない人を指名し、発言させてみたりして、なるべく多くの意見を吸い上げる。利害関係者の「妥協」(足して2で割る結論)や、討論の「回避」、声の大きい人の「強制」などの方向に行かないように、全員がゴールに満足できるよう、コンフリクトマネジメントを行う。
坂本龍馬は、一流のファシリテータだったと言われている。
近年、市場環境が厳しくなる中、成果主義の導入や、長時間労働などで過労になり、メンタル系の病気になる人が増えている。年間の自殺者も3万人を超え、その多くは「うつ」等の精神疾患を患っている人だと言われている。
このように殺伐とした世の中、メンタルコントロールは非常に重要な課題となっている。
「メンタルタフネス」は、自らのメンタルをコントロールしていく技術である。メンタルの状態を4つに分類し、(ポジティブの高低)×(インテンシティの高低)そのどこにいくかを、自らの身体面からコントロールする。
例えば、深呼吸すれば、心は落ち着く。「ヨシッ」と気合いを入れれば、心は高揚する、などのように。
IPSと呼ばれる頭が真っ白になる瞬間がある、と言われている。気力は充実し、力みもなく、自信に溢れ、目の前の目標に100%集中できている瞬間である。オリンピックで金メダルを取ったり、野球でホームランを打ったり、そんな場合、競技者はこの状態にいることが多い。反対にわざと、テンションを下げて、心を休めることも大切である。ボーッとしたり、温泉に入ったり。
肝心なことは、身体の状態をコントロールすることで、精神もコントロールできる、ということである。
システムやネットワークの高性能化・低価格化が急速に進んでおり、その活用により、企業の成長機会は大きく左右されれようになっている。システム活用は、大きく2分類できる。
(1)攻めの活用
・ホームページによる商圏の拡大。企業PR。
・SFAによる営業効率の向上。
・顧客データの管理による顧客サービスの充実。 などなど。
(2)守りの活用
・業務効率化による人件費の削減
・リアルタイムでの収益状況の把握。
・セキュリティ強化による情報漏洩阻止。
・災害時でも事業継続するためのBCPのシステム化。 などなど。
いずれも、枚挙に暇がないほどのシステムが巷に溢れている。
時流に押し流され、他社がやっているから、自社でもやる、というスタンスは失敗のもと。
成功の鍵は以下にある。
・導入目的の明確化
・やれるところからスモールスタート
・トップダウンによる強力な推進
・現場を巻き込んだ導入準備
・定期的な見直し
こう書けば、簡単に見えるが、一つ一つは、大変重い意味を持っている。